【2024年下期!】化学セクター株価上昇率ランキングベスト30

この記事では化学セクターの株価上昇率ランキング・トップ30を発表します。

株価は会社の将来性を表す指標として非常に重要な意味を持っています。そんな株価について上昇率という観点でランキングを作成しました。

最初にランキングの作成方法を説明してからランキングの発表を行います。

ランキングをすぐに確認したい方は、こちらのリンクから飛んでください。

目次

動画で説明:【2024年下期版】化学セクターの株価上昇率ランキングベスト30社!

動画で見たい方はこちらからどうぞ。

化学セクター株価上昇ランキング作成方法


最初にランキングの作成方法を説明します。

対象企業は上場企業における東証の業種分類が化学の企業、合計211社です。

なお、今回のランキングでは化学を事業の一角としていても非化学セクターの企業は対象外としています。ご了承ください。

また、特殊要因で上昇している銘柄は除外し、番外編として最後に紹介しています。

次に調査方法について説明します。

2024年7月1日の始値と12月30日の終値を比較して株価が何%上昇しているか、または下落しているかを算出しています。

12月30日の終値を7月1日の始値で割った結果株価が変わっていない場合は100%、株価が倍になっている場合は200%、株価が半分になっている場合は50%となります。

化学セクター株価上昇率ランキング30位~21位


化学セクターの株価上昇率ランキング30位から21位は画像の通りです。

各会社について事業内容を簡単に記します。

第30位は日華化学、上昇率は107.5%です。繊維加工剤を祖業とし、界面活性剤を強みとするメーカーです。

第29位はニイタカ、上昇率は108.1%です。業務用洗剤の総合メーカーで、固形燃料の国内シェアトップを誇ります。


第28位は信越ポリマー、上昇率は108.3%です。信越化学のグループ会社で塩化ビニルやシリコーン以外にも様々なポリマー製品を取り扱っています。

第27位はポーラ・オルビンホールディングス、上昇率は109.1%です。国内大手の化粧品メーカーで、技術力を強みにしており、お肌のうるおい成分で知られるヒアルロン酸を世界で初めて化粧品に配合したメーカーです。


第26位は、伊勢化学、上昇率は109.4%です。世界の約15%のヨウ素を生産する世界屈指のヨウ素サプライヤーです。

なお、営業利益率20%超えの高収益企業でもあります。


第25位は、ニチバン、上昇率は109.7%です。絆創膏を祖業とし、粘着技術を活かしたテープ製品を展開しています。


第24位は、日本曹達、上昇率は110.4%です。名前の通りソーダ事業が祖業ですが、現在では機能性化学品や農薬、医薬品原料など幅広い事業を展開しています。


第23位は、DIC、上昇率は110.4%です。印刷インキで世界シェアトップの総合素材メーカーです。


第22位は、日本ゼオン、上昇率は110.8%です。合成ゴムをメインとする素材メーカーです。近年では様々な機能性素材を開発しています。


第21位は、レゾナックホールディングス、上昇率は113.3%です。会社のリソースを半導体分野に集中させている総合化学メーカーです。

化学セクター株価上昇率ランキング20位~11位

ここまでで30位から21位までの企業を紹介しました。続きまして20位から11位の発表です。


第20位は、ヤスハラケミカル、上昇率は113.6%です。松やにから得られるテルペン油を原料とした化学品を手掛けています。

また、同社が製造するテルペン樹脂は、国内唯一のサプライヤーであり、世界シェア2位になります。


第19位は、I-ne、上昇率は114.7%です。美容用品、トイレタリー、日用品を手掛けています。

化学セクターでは珍しい自社で製造設備を持たないファブレス企業です。


第18位は、東リ、上昇率は115.7%です。インテリア内装材メーカーになります。

タイルカーペットやプラスチック床材の分野で国内トップクラスのシェアを誇ります。

また、壁材や床材に加えて接着剤などの副資材も開発しています。


第17位は、エフピコ、上昇率は115.8%です。主に食品トレー容器を手掛ける、国内最大手のメーカーです。ケミカルリサイクルに最も注力している企業の一つでもあります。


第16位は、アース製薬、上昇率は115.9%です。殺虫剤などの衛生用品を手掛けています。

また、ポカリスエットでおなじみ、大塚ホールディングスの持分会社でもあります。


第15位は、東邦化学工業、上昇率は116.2%です。界面活性剤を主軸とする機能性化学メーカーです。


第14位は新日本製薬、上昇率は116.3%です。化粧品、健康食品、医薬品を手掛けています。

また、通信販売や店舗販売など、B2Cにも力を入れています。


第13位は中国塗料、上昇率は116.5%です。社名の通り、塗料メーカーです。

中堅の規模ではありますが、船舶塗料に強みを持ち、国内トップクラスのシェアを誇ります。


第12位はOATアグリオ、上昇率は118.2%です。農薬や肥料を手掛けている施肥灌水技術のトップメーカーです。


第11位は日本触媒、上昇率は118.6%です。アクリル酸と酸化エチレンを出発物質とした化学品誘導体を得意とする大手化学メーカーです。

高吸水性樹脂の世界トップメーカーでもあります。

化学セクター株価上昇率ランキング10位~1位


次からはいよいよ、10位から1位の発表です。

10位 児玉化学


第10位は児玉化学、上昇率は119.1%です。

合成樹脂の成形加工を手掛けるメーカーで、自動車部品や住宅設備向け製品のOEM製造を中心にしています。

9位 小林製薬


第9位は小林製薬。上昇率は119.8%です。

「あったらいいな」のキャッチコピーでおなじみの国内大手トイレタリーメーカーです。

2024年は紅麹問題やアクティビストによる株式大量保有などがあり、なかなか大変でしたね。

2024年下期で見ればプラスですが、ボラティリティはそれなりに高くなっています。

8位 太陽HD

第8位は太陽HD、上昇率は120.2%です。

基板用絶縁材料のソルダーレジストで世界トップシェアを誇ります。

業績が順調に拡大しており、株価も連動するようにきれいな右肩上がりを見せています。

7位 積水化学工業


第7位は積水化学工業、上昇率は120.9%です。

川下寄りの機能性材料メーカーで、積水のブランドイメージが強い住宅関連から自動車やスマホなどの光学・電子材料、はてはインフラまで幅広く事業を展開しています。

さらに、各事業のどれもが利益率が高く、2023年度は売上高が過去最高を記録しました。

そして、近年ではペロブスカイト太陽電池という目玉事業もあり、化学セクターの中でも非常に注目度が高い企業となっています。

6位 クラレ


第6位はクラレ、上昇率は122.9%です。

ビニルアセテート、通称ポバールの世界トップメーカーです。

ポバール一本足打法と長年揶揄されながらも業績は非常に堅調に推移しており、それが株価にも表れています。

5位 田岡化学


第5位は田岡化学、上昇率は131.2%です。

少量多品種で様々な製品を手掛けるファインケミカルメーカーです。

住友化学のグループ企業でもあります。

この株価上昇理由は、田岡化学が主力とするスマートフォン市況の回復が原因だと考えています。

4位 綜研化学


第4位は綜研化学、上昇率は132.7%です。

アクリル系の粘着剤を軸としながら、樹脂や加工品を手掛けています。

2024年の11月に業績の上方修正を発表、2024年度は増益率が過去最高を更新する見込みとのことです。

その他、売上営業利益率や連結経常利益が改善するなど株価への好材料が多く発表されています。

3位 きもと


第3位はきもと、上昇率は134.1%です。

特殊フィルムを強みにしており、タッチパネル用ハードコートフィルムでトップシェアを誇ります。

2024年10月29日、中間決算の業績修正において営業利益が予想よりも大幅に上回る73%の上方修正となったため、翌日より出来高が数十倍に増加、株価が急騰しました。

2位 ライオン


第2位はライオン、上昇率は140.0%です。

花王、ユニ・チャームに続く国内3位のトイレタリーメーカーです。

2024年下期は前年同期比で売上高、営業利益ともに大幅プラスへと転じています。

さらに、国内事業も利益率の改善が進んだこともあり、右肩上がりの株価推移となっています。

1位 高砂香料


第1位は高砂香料、上昇率は148.2%です。

日本最大の香料メーカーで、食品や飲料向けのフレーバー系香水や化粧品、家庭用品向けのフレグランス系香料を主力としています。

株価は2回急騰のタイミングがありました。

1回目は8月の第1四半期決算で元々据え置きだった業績予想の大幅上方修正。

2回目は11月の第2四半期決算で業績のさらなる上方修正に加え、年間配当予想を80円から160円へ倍増させる方針の発表です。

これらによって、1990年以来となる、34年ぶりの株価高値水準となりました。

1位~10位までの株価上昇率一覧


1位から10位までの株価上昇率一覧です。

こうして表にしてみると化学セクターは実に様々な企業が属していることがよくわかりますね。

投稿主もまとめていて非常に勉強になりました。

化学セクター株価上昇率ランキング・番外編


ここからは番外編になります。特殊要因で株価が上昇した銘柄の紹介と大手化学メーカーの株価上昇率をまとめます。

大阪油化工業


番外編その1は、大阪油化工業。

精密蒸留や精製を専門に手掛ける受諾加工メーカーです。

株価上昇率は209.9%となっていますが株価チャートを見ると、ある期間から急に倍増していることがわかります。

大阪油化工業 株価上昇要因


これは、2024年12月13日に廃液・廃油処理大手のダイセキがTOB、株式公開買い付けを発表したことによるものです。

ダイセキは大阪油化工業を傘下に取り込むことで廃液や廃油から化学品を取り出し、リサイクル化学品を販売したいという狙いがあります。

TOBの期間は2025年2月3日までとなっており、大阪油化工業はTOB成立後に上場廃止となる見通しです。

リベルタ


番外編その2はリベルタ。

美容や日用雑貨などの企画販売を手掛けています。

株価上昇率はなんと866.9%となっており、とても半年の数値とは思えません。

リベルタ 株価上昇理由


株価暴騰のきっかけは、12月にカナダのユニフォームの製造企業であるCIMA社が持つ冷感持続衣料「フリーズテック」の独占販売代理店契約を、米国連結子会社が締結したことといわれています。

一時は6,390円の最高値をつけるほどの高騰ぶりで、化学セクターでもここまで乱高下することがあるのかと思うような銘柄です。

番外編3:大手化学メーカーの株価上昇率


最後に番外編その3として大手化学メーカーの株価上昇率を投稿主の主観でピックアップしました。

2024年は下記のような化学メーカーとしては逆風になる出来事が多かったように思います。

  • 資源高
  • 中国メーカーによる基礎化学品の供給過剰
  • 半導体不況
  • 自動車業界の伸び悩み

それでもすべてのメーカーが軒並み悪化するというよりもメーカーごとに明暗が分かれるというところは、あらゆる業界とかかわりのある化学セクターの特色といえそうですね。

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